CDE(糖尿病療養指導士)からのワンポイントメッセージ

糖尿病のある方へ 暑い夏を安全に過ごすための熱中症対策

熱中症対策で水分補給をする男の子

はじめに

一気に暑くなってきましたね。
まだ梅雨の時期ですが、夏のような日差しや気温の日も増えてきました。

そこで今日は、暑い季節に特に気をつけたい「熱中症」について取り上げてみたいと思います。

糖尿病がある方は、体の水分バランスや体温調節がうまくいかず、熱中症のリスクが高くなることがあります。

今回は、糖尿病患者さんだからこそ知っておきたい熱中症対策をご紹介します。

熱中症に注意のイラスト

1. 熱中症と糖尿病の関係

  • 糖尿病の方は脱水になりやすく、のどの渇きを感じにくい傾向があります。
  • 血糖値が高いと尿の量が増え、水分が体から失われやすくなります。
  • 末梢神経障害があると、暑さや脱水に気づきにくくなることがあります。

2. 熱中症を防ぐためのポイント

✅ こまめな水分補給

水分補給をする女性のイラスト
  • のどが渇く前に、1日1.5~2リットルを目安に水分をとるようにしましょう。
  • おすすめは、麦茶、ルイボスティー、ほうじ茶、ミネラルウォーターなどの無糖飲料です。
  • 糖分を含むスポーツドリンクは血糖値を上げる原因になるため、基本的には避けましょう。
  • 特に運動時や発汗が多いときは、水や麦茶を中心に補給しましょう。

注意点: 脱水症状が出ている場合は、医療者の指導のもとで経口補水液(OS-1など)を一時的に使用することもありますが、糖質が含まれているため注意が必要です。

✅ 血糖値のチェックを忘れずに

血糖値測定のイラスト
  • 暑さや脱水によって血糖値が変動しやすくなります。
  • 食事・運動・水分のバランスを整え、こまめに血糖測定を行いましょう。

✅ 室内でも油断しない

  • 室内でも熱中症は起こる可能性があります。
  • 冷房や扇風機を上手に使い、室温は28℃以下を目安に保ちましょう。

3. 外出時の注意

木陰で休む子どものイラスト
  • 帽子や日傘で直射日光を避けましょう。
  • 涼しい服装で、日陰や冷房の効いた場所でこまめに休憩をとりましょう。
  • 体調が悪いと感じたときは、無理をせず早めに対応しましょう。

4. 熱中症のサインに注意

以下の症状に注意が必要です:

  • めまい、ふらつき
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 異常な発汗
  • 筋肉のけいれん

⚠️ 緊急時の対応
意識がもうろうとした場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

おわりに

夏を元気に過ごすためには、「水分・体温・血糖値の管理」がとても大切です。

糖尿病がある方は、「糖分の少ない水分補給」を心がけながら、暑さに負けずに安全にこの夏を乗り切りましょう。


参考文献・出典

  • 環境省 熱中症予防情報サイト
    https://www.wbgt.env.go.jp
  • 厚生労働省「熱中症予防のために」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177190.html
  • 日本糖尿病学会 編『糖尿病治療ガイド2024』
  • 大塚製薬 OS-1 製品情報
    https://www.os-1.jp/
  • 日本糖尿病協会『さかえ』/公式サイト
    https://www.nittokyo.or.jp

この記事に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にクリニックまでお問い合わせください。

CDE(糖尿病療養指導士)監修